完備測度に対するフビニの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 10:57 UTC 版)
「フビニの定理」の記事における「完備測度に対するフビニの定理」の解説
上述のフビニおよびトネリの定理は、ルベーグ測度を伴う実数直線 R 同士の積の上での積分に対して適用できないという厄介な問題がある。これは、R×R 上のルベーグ測度は R 上のルベーグ測度同士の積とは異なり、その完備化であるという点から生じる問題である。一般に二つの完備測度空間 X と Y の積は、完備ではない。この理由により、完備測度に対するフビニの定理の変形版がしばしば用いられる。大雑把に言うと、すべての測度をその完備化で置き換えるということである。上述のものと似たフビニの定理の変形版は多く存在するが、それらには以下のようないくつかの小さな差異が見られる: 二つの測度空間の積 X×Y を取る代わりに、ある測度の完備化を取る。 X×Y の完備化の上で f が可測であるなら、その垂直あるいは水平直線への制限は、それらの直線内の測度 0 の部分集合に対して非可測となることがある。したがってそのような垂直あるいは水平に対する積分は、非可測な函数の積分も含むため、測度 0 の集合上では定義されない可能性も許す必要がある。可積分ではない函数は定義されていないため、このことによってわずかな差異が生じる。 一般に、X と Y 上の測度は完備であることが仮定される。そうでなければ、垂直あるいは水平直線に沿った二つの部分積分は well-defined であるが可測でないという場合が起こり得る。例えば f を、測度 0 の集合を含むようなある可測集合と非可測集合の積に関する特性函数とする。このとき、その積分は至る所で well-defined であるが、非可測である。
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