完備測度の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/02 14:53 UTC 版)
(完備でないこともある)測度空間 (X, Σ, μ) が与えられたとき、この空間の拡張 (X, Σ0, μ0) で完備であるようなものが存在する。そのような拡張の内で最小のもの(すなわち、最小の σ-集合代数 Σ0)のことを、元の測度空間の完備化(completion)と呼ぶ。 完備化は次のように行われる: Z を、μ-測度がゼロであるような X の部分集合に含まれるすべての部分集合からなる集合とする(直感的に言うと、そのような Z の元の内で Σ には属していないようなものが、完備性の成立を妨げている); Σ0 を Σ と Z によって生成される σ-集合代数(すなわち、Σ と Z のすべての元を含む最小の σ-集合代数)とする; μ の Σ0 への唯一つの拡張 μ0 で、次の下限で与えられるようなものが存在する。 このとき、(X, Σ0, μ0) は完備測度空間であり、(X, Σ, μ) の完備化である。 このような構成法において、Σ0 のすべての元は、ある A ∈ Σ および B ∈ Z に対して A ∪ B の形を取り、次が成立する。
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