安全のための機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/11 14:18 UTC 版)
手術は術式によっては多量の出血が伴い、術中に患者の容態が急変する可能性がある。また、全身麻酔下の患者は自発呼吸が停止しており、麻酔器の人工呼吸によって生命を維持しているため、麻酔器のトラブルは患者の死に繋がる。これらのトラブルに対処し、また未然に防ぐために、現在の麻酔器にはさまざまな機能が備わっている。 酸素などのガスの接続部はガスの種類によって形状が異なり、これにより誤接続を防止している(フールプルーフ)。 心拍数、血圧の異常や無呼吸などを検知するとアラームで知らせる。 中央配管から壁面、天井から供給される酸素の供給圧は392±48kPaで、亜酸化窒素、空気より30kPa程度高くなっている。これは麻酔器内で不具合が起きても、酸素が優先的に供給されるための安全対策である。 ガス供給ラインには酸素供給圧低下警報装置が組み込まれており、麻酔器により異なるが、供給圧がそのレベルより低下するとアラームが鳴り、亜酸化窒素の供給が遮断される。 酸素フラッシュ弁が備えられており、ボタンを押すことにより、弁が開き、40~60L/分で酸素が中央配管またはボンベより直接酸素が麻酔回路に供給されるようになっている。
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