契約と著作権の帰属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/20 20:11 UTC 版)
「コミック・ストリップのシンジケート配信」の記事における「契約と著作権の帰属」の解説
「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」も参照 歴史的に、配信作品(タイトル、キャラクター、肖像)の権利はシンジケート会社に帰属するものだった。そのため、オリジナルの作者が引退したり、作品を放棄したり、死去しても作品の配信を続けることが可能だった。初期の先例としては、1897年に世に出て大人気を博したルドルフォ・ダークス(英語版)によるコミック・ストリップ作品『カッツェンジャマー・キッズ(英語版)』がある。ダークスは1912年に発行人ウィリアム・ランドルフ・ハーストから自作の著作権を取り戻そうとしたが、最終的にハーストが勝利した。このような慣行は、作者が交替したせいで当初の人気の理由だった「輝き」がなくなったと批判される「レガシー・ストリップ」を生み出すことにもなった(「ゾンビ・ストリップ(英語版)」という侮蔑的な言い方もある)。ほとんどのシンジケートはクリエイターとの間に10年間から20年間にも及ぶ契約を結んだ(例外もある。バド・フィッシャー(英語版)の『マット・アンド・ジェフ(英語版)』は、作者が最初から著作権を保持していた作品として最古かそれに次ぐケースである)。 自作の権利を保持しようと試みて失敗した漫画家は著名な作者だけでも複数いるが、ミルトン・カニフ(英語版)はその一人である。1946年、シンジケートによって作品の所有権を主張されたカニフは、絶大な人気を集めていた『テリー・アンド・ザ・パイレーツ(英語版)』の執筆を打ち切った。1947年にカニフはフィールド・ニュースペーパー・シンジケート(英語版)のオーナーであったマーシャル・フィールド3世(英語版)から著作権の保持を認められて『スティーヴ・キャニオン(英語版)』を描いた。出版者デニス・キッチン(英語版)によると、同じく1947年に大人気作『リル・アブナー(英語版)』の作者アル・キャップ(英語版)がユナイテッド・フィーチャー・シンジケート(英語版)に1400万ドルの支払いを求めて訴訟を起こし、『リル・アブナー』作中で同社を非難した。翌年には作品の所有権と管理権を要求して争議を起こしたという。
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