天外家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 07:22 UTC 版)
400年続く旧家。多くの土地・財産を持っていたが、GHQの主導する農地改正法、特別措置法、農協などにより衰退している。 天外作右衛門(てんげ さくえもん) 天外家の当主。傲慢、不遜、放蕩、淫乱、冷酷非情。すえとの間に生まれた奇子を溺愛している。幽閉された奇子を蔵の外へ出してやろうとしていたが、後に脳卒中を起こし、数年間植物状態となった末に死亡。 天外ゐば(てんげ いば) 作右衛門の妻。家の男には従順で、天外家存続への強い意志があった。 天外市郎(てんげ いちろう) 日和見主義な天外家の長男で、父の衰えに乗じて天外家の実権を掌握する。仁朗の兄。奇子を土蔵へ幽閉することを提案した張本人。天外家の遺産を相続することと引き換えに、妻のすえを作右衛門に渡したが、その約束を破られ、遺産はすえが相続することになった際、すえを殺害する。しかし遺産を手にしたものの、悪夢に悩まされるようになる。 天外すえ(てんげ すえ) 作右衛門によって選ばれた市郎の嫁。市郎との子供はいないが、関係を強いられた作右衛門との間に奇子を生む。戸籍上は奇子の義姉となっており、奇子に対して母と名乗れないことを思い悩んでいる。後に作右衛門が亡くなった際、彼の遺産を奇子の母として受け継ぎ、奇子を連れて天外家を出ようとするが、市郎によって殺害される。 天外志子(てんげ なおこ) 天外家の長女。仁朗の妹で伺朗の姉。殺害された江野とは恋人。共産主義と関わったことで作右衛門から勘当された。 天外伺朗(てんげ しろう) 天外家の三男。仁朗の犯罪を告発しようとするなど、天外家では強い正義感の持ち主。奇子の幽閉に憤り、彼女のために尽力するが、後に成長した奇子に求められて近親相姦に陥り、父・佐右衛門の血が目覚めてしまったのか、以後自らも奇子を求めるようになる。 お涼(おりょう) 天外家の小作人の子で、女中として天外家に仕えている知的障害のある娘。実際は奇子同様に作右衛門の私生児だが、奇子と違って全く愛情を注がれていない。幽閉前の奇子の良い遊び相手だった。彼女と一緒に目撃した奇子の口から仁朗の犯行が露見したため、口封じに殺害されてしまう。 山崎 親類の町医者。土蔵の中で暮らす奇子に強い興味を持つ。
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