大型化のデメリット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 07:07 UTC 版)
乗船する側のメリット(予約が取り易くなる)と運営する側のメリット(事業の拡大)が一致して実現した大型化であるが、デメリットも存在した。 大型化のデメリットの最たるものは、喫水が深くなることにより、寄港できる港が制限されることである。 例えば屋久島は、「飛鳥」では特に秋口には毎週のように寄港するほどの人気の寄港地であったが、「飛鳥II」では喫水オーバーにより、岸壁に接岸することができなくなった。2006年以降の「飛鳥II」のスケジュールには屋久島が組み込まれていない。 接岸できない寄港地でも、地元で船が都合できない場合は本船付属のテンダーボートを通船として上陸できるが、運航は天候の影響を受け易く、悪天候の場合は上陸不可により抜港に至る可能性が高くなる。通船での乗下船は、タラップやボーディングブリッジに比べ、時間を要することとなり、寄港地での時間の有効利用の点で劣ることとなる。 高さが増えたことで、初代飛鳥ではコースに含まれていたキール運河 も通行できなくなった。 全長が200mを超えるため航行制限を受けるようになった。例えば備讃瀬戸航路などでは狭視界時における航路入航制限や夜間の通航が出来ない通航時間の制限がある。 このほか大型化により船内の移動距離が長くなったことも挙げられる。船首付近の客室に当った場合、船尾の施設に行く(あるいはその逆)には、かなり負担を感じることと思われる。
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