多段増幅器とレベル配分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 09:48 UTC 版)
例えばラジオや通信型受信機は1μW以下の入力信号を数百mWオーダーまで増幅してスピーカに出力する必要があるが、増幅器1段で100万倍(60dB)もの利得を得ることはできない(送信機についても同様)。現実の増幅素子1個で得られる増幅率には限度があるからである。高周波で安定に動作するのは10数dB程度である。したがって、何段もの増幅器を直列に接続する必要がある。 その際、単に同一の増幅器を直列に接続すると、受信機の場合は小信号がノイズに埋もれたり、大信号で歪が発生する不具合が発生する。このため、初段と後段で増幅器の設計を変える。一般的に、初段では小信号用の低雑音アンプが使われ、後段では大信号用の低歪アンプが使われる。送信機の場合は、消費電流が初段と後段で大きく異なるため、初段では小信号用のアンプが使われ、後段では大信号用のアンプが使われる。そして、送受信とも各増幅器における信号レベルが適正になるように、レベル配分と呼ばれる設計を行う。 レベル配分は、要求仕様、消費電力、増幅器の能力、安定度、価格を勘案して設計者が決める。
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