多段制御・連続制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 08:34 UTC 版)
電車や電気機関車で従来から用いられてきた抵抗制御では、マスター・コントローラー(主幹制御器)でモーターの出力を次第に上げて運転している。この際に制御器にノッチと呼ばれる刻みがあって、その段階ごとに出力が設定されている。同じ出力では速度が上がるにつれてモーターが車輪を駆動して発揮する引張力(列車を引っ張り前進させる力)が下がっていくので、ある点でノッチを1段階上げて大きな出力にすることで再度引張力を増加させる。しかし引張力の最大値が粘着限界を超えると空転してしまうので、最大値がこれを超えないようにしなければならない。したがって図示したように引張力がのこぎり状に変化するように次第にノッチを上げていくことになる。ノッチの段階を増やして細かく制御できるようにすると、全体として平均引張力は上昇することになるので、粘着力を有効利用できる。 後により技術が進歩して、サイリスタ位相制御やチョッパ制御、可変電圧可変周波数制御が利用されるようになった。これらの制御では多段制御からさらに進んで連続的な制御を行うことができ、粘着限界を一杯に活用することができる。こうしたことから、これらの制御を利用した車両では実質的に粘着係数が向上している。
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