外れないヒレ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 22:18 UTC 版)
「悠 (人工鰭のウミガメ)」の記事における「外れないヒレ」の解説
長期間脱落しないように改良された第19モデルの人工ヒレが完成した。前回の試験の課題をふまえ、第19モデルは破れを防止するためにジャケットを少し緩めのサイズとしたり、肩部分の縫い目を変更した。また、面ファスナーによる甲羅への固定も行われた。2012年2月26日に装着試験が行われ、そのまま悠は人工ヒレの状態を保ち続けた。この人工ヒレは3月9日まで着用状態を保つことができ、また、人工ヒレが外れた瞬間の模様も、偶然、水族園職員が観察することまでできた。 ついで第20モデルが完成し、4月28日に悠への装着試験が行われた。第20モデルはボディジャケットをマジックテープで固定するタイプとなり、従来の発想の、ジャケットの長さで固定する方式は止めたため、裾の長さがそれまでの1/3にまで短くなった。このボディジャケットはボレロの様に見えることから、プロジェクトチームはこれをボレロ型、ボレロ型ジャケットと呼び、また、この工夫のため、より装着が容易なジャケットとなった。ほかに、動きが落ちている左前肢の対策に、左のヒレ部分にだけ、さらに「水掻き」を付け加え、右に比べて一回り大きくする工夫が施され、これにより、より“しなやかで推進力の高いヒレ”となり、悠はより力強く泳ぐことができるようになり、餌の魚を必死に追える状態になった。悠はそのまま人工ヒレを装着し続け、3週間を過ごした。 第21モデルの人工ヒレは、左前肢のみに人工ヒレをつけ、右前肢に人工ヒレが無いタイプとなった。これは右前肢が、左前肢に対して残存部分が多く、今までの観察から人工ヒレが無くとも水をとらえて泳ぐ様子が確認できていることからの発想で、そして左前肢の人工ヒレはさらに水を捕えやすい形状に改良されている。第21モデルは5月19日に装着試験が行われ、悠は以前のモデルよりも左右のヒレをバランスよく使って泳いでいるように見え、義肢チームに好感触を与えている。また、外れない人工ヒレ作りに関しては、ジャケットを甲羅に面ファスナーで固定する方式によって、第21モデルで目標を概ね達成した。
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