売却・廃止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 04:44 UTC 版)
1990年代以降、厚生年金老人ホームと同様に年金保険料を投じて建設された、大規模年金保養基地グリーンピアの経営悪化が相次ぐと、保険料を年金の支給以外に用いることに対して世論の批判が高まった。 経営状態が厳しかったのは厚生年金老人ホームを含む年金福祉施設も同様であり、社会保険庁が年金福祉施設265施設について、2002年度の収支を試算したところ、減価償却後の黒字となったのは9施設のみで、残りの256施設は赤字であった。 2004年3月10日、与党年金制度改革協議会が開かれ、保険料により整備された計265の年金福祉施設について、2005年度に整理機構を設置し、すべての施設を5年以内に売却または廃止すると決定、これを受けて2005年6月16日の衆議院本会議において、内閣提出法律案の「独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案」が可決・成立した。 2005年10月1日、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構が設立された。売却予定となっている厚生年金福祉施設は社会保険庁から整理機構へと出資され、施設の売却によって得た収入は厚生保険特別会計年金勘定へ納付される。売却は原則として一般競争入札により行われたが、長期専用施設の入居者には自宅を処分した上で施設に入居した老人もいたことから、一部の施設については譲渡後の一定期間は中心的機能を維持することが譲渡の条件として付された。 施設の売却は順次実施され、最後まで残っていた厚生年金ハートピア熱海が2010年8月31日をもって振興団による運営を終了し、9月1日から民営となったことにより、すべての厚生年金老人ホームが売却・廃止された。なお、一部の施設は民間への売却後も「ニューハートピア」のようなハートピアに類似する商号を用いて営業を続けている。
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