売却と訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/07 07:12 UTC 版)
「クヴェードリンブルク祭具盗難事件」の記事における「売却と訴訟」の解説
ミーダーはしばしば周囲に「終戦間際にヨーロッパで手に入れた」と称する美術品を自慢していたが、少なくとも彼自身は売却を試みた事はなかった。1980年2月1日、彼は癌で死去したが、遺書には祭具に関する言及がなかった。 ジョー・ミーダーの死後、姉ジェーン・ミーダーと兄ジャック・ミーダーは、サムエル福音書をオークションに掛けた。これはベルリンに拠点を置き、ドイツへの美術品等送還を行なっている国家文化財団(Cultural Foundation of the States)が300万ドルで落札した。この取引が成されたのは1990年5月9日の事であった。しかし、1990年6月18日にはサムエル福音書売却のニュースを受けて、米連邦地裁がクヴェードリンブルク修道院を代行する形で民事訴訟を起こした。その後、長い交渉を経てミーダー家は275万ドルないし100万ドルを支払ってサムエル福音書を買い戻し、また全ての祭具を返還することで合意した。 1996年1月4日、米連邦政府は「受け取り、所持、隠匿、保管、交換、販売、処分の為の共謀、および共謀による受け取り、所持、隠匿、保管、交換、売却」(conspiring to receive, possess, conceal, store, barter, sell and dispose of stolen goods and for receiving, possessing, concealing, storing, bartering, selling and disposing of stolen goods.)なる訴因に基づきジェーンとジャック、および担当弁護士のジョン・トリギアンを起訴した。しかし1996年10月22日、連邦地裁は時効成立を理由にこの訴えを却下した。 その後、内国歳入庁(IRS)は調査の後、税金、罰金、金利等あわせて5000万ドルの支払いを命じた。2000年4月20日、IRSとミーダー家は135,000ドルの支払いにより和解した。
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