士官候補生の乗艦実習
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/08 15:41 UTC 版)
イギリス海軍では艦長に縁故のある十代半ばの年少者を艦長従卒として乗組ませて教育を施してきた。1845年10月10日にアメリカ海軍は米海軍兵学校を開校したが、それでも当初は艦上での実地教育が主であった。イギリス海軍は19世紀から士官候補生を特定の練習艦に集めて教育を施したが、1903年に全ての海軍士官候補生をダートマス英海軍兵学校に集めて教育を施すことになった。 海軍兵学校在学中に乗艦実習を重ねて卒業後直ちに通常軍艦に配属する米・英海軍方式と異なり、日・仏海軍などは海軍兵学校(海上自衛隊幹部候補生学校含む)卒業前後に練習艦隊で実習しながら練習遠洋航海を実施する方式を採っている。練習遠洋航海では、外国を訪問することで、国際親善を深めると共に、初級海軍士官の国際的視野を深めることに資するという長所もある。外国港入港に際しては礼砲など須要の国際儀礼も行われている。 1890年(明治23年)に遭難したエルトゥールル号も、オスマン帝国皇帝アブデュルハミト2世から明治天皇に対する答礼使節であるとともに、1889年(明治22年)にオスマン帝国の海軍兵学校を卒業した初任少尉の大半を配置しており、練習遠洋航海としての面も有していた(単艦なので艦隊ではないが)。 なお、海上保安庁は小規模なため船隊編成を採らず、個船たる練習船を使用している。
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