堀米庸三とは? わかりやすく解説

堀米庸三

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/10 09:05 UTC 版)

堀米 庸三
人物情報
生誕 (1913-02-24) 1913年2月24日
日本山形県河北町
死没 1975年12月22日(1975-12-22)(62歳没)
出身校 東京帝国大学
学問
研究分野 歴史学(西洋史)
研究機関 北海道大学東京大学
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堀米 庸三(ほりごめ ようぞう、1913年2月24日 - 1975年12月22日)は、山形県河北町生まれの歴史家。専攻は西洋中世史。

経歴

1913年、山形県中央部の西村山郡河北町生まれ。上京し1930年に東京市旧制芝中学校を卒業し、旧制第一高等学校を受験するも失敗。失意の内に故郷山形に帰省中、ブラジル移住を志す。しかし家族の説得により断念。一念発起し、翌年一高合格した[1]。1934年に一高を卒業[2]し、1937年に東京帝国大学文学部西洋史学科[3]を卒業[4]

1941年に 神戸商業大学予科講師となった[5]、翌1942年に教授。1947年(昭和22年)に北海道大学法文学部助教授、1951年に北海道大学文学部[6]教授を経て、1956年東京大学文学部教授。1958年ハーバード大学へ滞在。1969年に東京大学文学部長、学園紛争の処理に当たった。1973年に東京大学を退官し名誉教授となった。1975年12月22日、肺癌のため逝去。墓地は鎌倉市二階堂の鷲峰山覚園寺にある

受賞・栄典

研究内容・業績

中世国家論

文明批評

論争

堀米・世良論争

堀米・吉岡論争

門下生、同僚

家族ほか

著作

西洋史学史や文明批評・随想も刊行した。

単著

  • 『中世国家の構造 社会構成史体系3』(日本評論社、1949年)
  • 『西洋中世世界の崩壊』(岩波書店岩波全書]、1958年、新装版2005年)
  • 『正統と異端 ヨーロッパ精神の底流』(中公新書、1964年/改訂・中公文庫、2013年、樺山紘一解説)
  • 『歴史をみる眼』(日本放送出版協会NHKブックス]、1964年、新装版2014年)
  • 『歴史と人間』(日本放送出版協会[NHKブックス]、1965年)
  • 『中世の光と影』(「世界の歴史7」文藝春秋、1967年/講談社学術文庫(上下)、1978年)
  • 『歴史の意味』(中央公論社[中公叢書]、1970年)
  • 『歴史家のひとり旅』(新潮社、1971年)
  • 『ヨーロッパ歴史紀行』(潮出版社、1973年/筑摩書房[筑摩叢書]、1981年)
  • 『歴史と現在』(中公叢書、1975年)
  • 『紀行と随想』(近藤出版社、1976年)、以下は遺著
  • 『ヨーロッパ中世世界の構造』(岩波書店、1976年)
  • 『わが心の歴史』(新潮社、1976年)

共編著

  • 『中世ヨーロッパ 世界の歴史3』(中央公論社、1961年、新装版・中公バックス、1983年。中公文庫、1974年)。堀越孝一
  • 『世界の歴史8 ヨーロッパ封建社会』(筑摩書房、1961年)、責任編集
  • 『現代歴史学入門』(有斐閣双書、1965年)、同上
  • 世界の名著55 ホイジンガ』(中央公論社、1967年、新装版・中公バックス、1979年。単行判1971年)、責任編集「中世の秋」堀越孝一訳
  • 『人間の世紀 第2巻 歴史としての現代』(潮出版社、1971年)、編者代表
  • 『歴史学のすすめ 学問のすすめ11』(筑摩書房、1973年)、同上
  • 『中世の森の中で 生活の世界歴史6』(河出書房新社、1975年、新装版1980年。河出文庫、1991年)。寄稿は木村尚三郎・堀越孝一・渡辺昌美
  • 『西欧精神の探求-革新の十二世紀』木村尚三郎共編[7](日本放送出版協会、1976年。新編・NHKライブラリー(上下)、2001年)
  • 『ヨーロッパ世界の成立 世界の歴史8』堀越孝一と[8]講談社、1977年)

論文(一部)

  • 「テオドール・マイヤーの独逸近代国家成立論について」『史学雑誌』51-1、1940年
  • 「西洋における封建制と国家」『思想』302号、1949年、67-77頁
  • 「中世後期における国家権力の形成」『史学雑誌』62-2、1953年、94-138頁
  • 「ドイツにおけるモヌメンタ・ゲルマニエ・ヒストリカ編纂刊行の沿革」『日本歴史』194、1964年

訳書

  • 『十九世紀ドイツフランス史 ランケ選集』三省堂および千代田書房(全7巻、1940年代に刊)、訳者の一員
  • ゲオルグ・フォン・ベロウ『独逸中世農業史』創元社、1944年
    • 『ドイツ中世農業史』創文社、1955年。講談社「創文社オンデマンド叢書」(電子書籍での再刊)、2025年
  • マルク・ブロック『封建社会』監訳、岩波書店、1995年、新版2008年

関連資料

  • 樺山紘一「堀米庸三」『山形の先達者(1)』(山形県生涯学習人材育成機構、1999年)、189-228頁
  • 『西洋中世世界の展開-堀米庸三先生還暦記念論集』東京大学出版会、1973年

参考情報

脚注

  1. ^ 『官報』第1289号、昭和6年4月20日、p.520
  2. ^ 『官報』第2191号、昭和9年4月24日、p.627
  3. ^ 『官報』第2214号、昭和9年5月22日、p.589
  4. ^ 『官報』第3099号、昭和12年5月6日、p.142
  5. ^ 『神戸商業大学一覧 昭和16年度』神戸商業大学、1941年10月、p.136
  6. ^ 没後蔵書が寄贈され、1978年に『堀米文庫図書目録』が発行された
  7. ^ 元版は前年に発行した放送大学実験番組での「放送テキスト」で、門下生の木村が大幅に増補
  8. ^ 共著表記だが、実質は堀越の単著で、『中世ヨーロッパの歴史』(講談社学術文庫、2006年)で新版再刊

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