基字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 01:16 UTC 版)
上から5段目まで(5段目4列目ཝを除く)は、縦横ともに音声的特徴の意味をもった配列になっている。辞書の配列は、各段毎、左から右の方向である。各基字の発音として、ラサ方言の発音を示している。 単音節の声調は、高平調と低平調(※わずかに上がるので、低昇調とも表現される)を、それぞれ赤と青の背景で示した。以下の2点に注意。 第4列(より正確には鼻音・接近音)の低平調(低昇調)は、前置字・上接字といった先行子音が付くと、高平調になる。(※前置字・上接字・下接字との組み合わせによる、実際の発音のまとめは下述の「表記と発音の対応」を参照。) 高平調と低平調(低昇調)は、-ག(g)、-གས(gs)、-ད(d)、-བ(b)、-བས(bs)、-ངས(ngs)、-མས(ms)、-ས(s) などの末子音が付くと、押し下げられ、それぞれ高降調と低昇降調に変化する(※詳しくは、下述の「表記と発音の対応」を参照。) なお、母音だけの音を表現するには、一番後ろの無音価字母「ཨ」を使用する。 第1列(無気 - 高)第2列(有気 - 高)第3列(有声 - 低)第4列(鼻 - 低)軟口蓋音ཀ ˉka /k/ ཁ ˉkha /kʰ/ ག ˊkha /kʰ/(g) ང ˊnga /ŋ/ 硬口蓋音ཅ ˉca /t͡ɕ/ ཆ ˉcha /t͡ɕʰ/ ཇ ˊcha /t͡ɕʰ/(j) ཉ ˊnya /ɲ/ 歯茎音ཏ ˉta /t/ ཐ ˉtha /tʰ/ ད ˊtha /tʰ/(d) ན ˊna /n/ 両唇音པ ˉpa /p/ ཕ ˉpha /pʰ/ བ ˊpha /pʰ/(b) མ ˊma /m/ 破擦音ཙ ˉtsa /t͡s/ ཚ ˉtsha /t͡sʰ/ ཛ ˊtsha / t͡sʰ/(dz) ཝ ˊwa /w/ (低)ཞ ˊsha /ɕ/(zh) ཟ ˊsa /s/(z) འ ˊa /-/ ཡ ˊya /j/ (低/高)ར ˊra /ɹ/ ལ ˊla /l/ ཤ ˉsha /ɕ/ ས ˉsa /s/ (高)ཧ ˉha /h/ ཨ ˉa /-/ ※括弧()内の表記は、子音字の区別の都合上、チベット語のラテン文字翻字方式である「ワイリー方式」で採用されている、古典期の発音に由来する表記。
※この「基字」の解説は、「チベット文字」の解説の一部です。
「基字」を含む「チベット文字」の記事については、「チベット文字」の概要を参照ください。
- >> 「基字」を含む用語の索引
- 基字のページへのリンク