執行までの期間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 16:55 UTC 版)
死刑判決確定後6ヵ月以内に、法務大臣が執行を命令しなければならない(刑事訴訟法475条2項)が、平成15年9月12日から平成27年7月27日までの実績では平均5年4か月だった。 東京地方裁判所1998年(平成10年)3月20日判決によれば、同条2項は、死刑という重大な刑罰の執行に必要とされる慎重さと確定判決に必要とされる執行の迅速性という相反する要請を調和するために一応の期限を定めたものであって、法的拘束力のない訓示規定であり、(同条の定める期間を徒過したとしても)特に違法ではない、とする。このため、六か月以内に死刑の執行の命令がなされなくても違法ではないと政府は考えている。しかし刑事訴訟法に明記されている事を「法的拘束力のない訓示規定」と主張するのは刑事訴訟法そのものを法的拘束力のない訓示規定にしてしまうという批判もある。 異例の早さで死刑が執行されたといわれる附属池田小事件の宅間守でさえ、確定してから約1年の時間を要している。そのため、刑を執行されないまま拘置所の中で一生を終える死刑確定者もいる。 警察庁広域重要指定118号事件では、主犯3人に死刑判決が確定したが死刑が迅速に執行されず、死刑確定後10年間で3人全員が病死する結末となった。 また犯人が複数存在し、なおかつ共犯者が逮捕されていないか公判中の場合は、死刑確定者が証人として出廷する可能性があるため執行が行われない。
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