垂直管説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 17:35 UTC 版)
垂直管説は、ドイツ人のロベルト・ブンゼンにより1847年に提唱された。 地面に対して比較的垂直に噴出管aがあり、噴出管a内に地下水が溜まる。溜まった地下水は、地熱により加熱され、下層部が沸点に達する。下層部が沸騰を始めると、生じる水蒸気の泡が噴出管a内を上昇し始め、それに押し出される形で緩やかな湧出が地表で開始する。噴出管a内の泡が増すにつれ、管内の水圧が低下する結果、下層部の沸点が下がり、一気に沸騰(突沸)を始め、激しい噴出が始まる。 しばらく噴出が続くと管内の熱水が無くなって噴出は終了し、休止期間に入る。噴出管aにつながっている導管bから新しい地下水が流入し、次の沸騰開始まで加熱される。 日本の野口喜三雄は、間欠泉内の塩化物イオンなどの変化量から、垂直管説を支持した論文を1939年に発表している。 一般に、1回の噴出量が少なく、噴出周期が数分から数十分の間欠泉の説明に適していると言われている。また温泉探査ボーリング等によって発生する間欠泉のメカニズムを完全に説明できる(大分県柴石温泉の龍巻地獄)。1997年、島根県津和野町で行われた試掘によって多量の二酸化炭素を含む温水(低温)間欠泉の噴出が始まったが、同じ 垂直管内の突沸(正確にはキャビテーション)のメカニズムで説明することができる。島根県木部谷温泉や山形県湯ノ沢温泉の炭酸間欠泉も同種例である。
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