垂直移動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 04:01 UTC 版)
「深部クロロフィル極大」の記事における「垂直移動」の解説
植物プランクトンが必要とする資源は多様であり、各植物プランクトンが各々の生育に最も最適な環境を目指して水中を鉛直方向に移動することで、DCMは確立していく。具体的には、栄養素や利用可能な光などの要因に応じて、一部の植物プランクトン種は、生理学的要件を満たすように意図的に異なる深さへと移動していく。ある種の珪藻やシアノバクテリアなどの植物プランクトンでは、水柱を移動するために浮力を調節する能力を持っている。また、渦鞭毛藻などの他の種は、べん毛を使用して目的の深さまで泳ぐ。このような植物プランクトンの意図的な移動によって、特定の深度での植物プランクトン群集の割合が大きくなり、DCM層の形成に繋がっている。ただし、一般にこれらの種はサイズが大きく、貧栄養な水域においてはそれほど多くは見られないため、このような生理学的側面は貧栄養水中におけるDCM形成にはあまり寄与していないと考えられている。 湖では、DCMの厚さは湖のサイズと正の相関を示すことが知られている。ただし、個々の湖で環境特性は大きく変わってくることから、さまざまな種類の湖において包括的にDCM深度を予測できるような光と温度の一般則は知られていない。
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