地頭の機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 03:08 UTC 版)
外城とは、鹿府及び島を除く全地区を直轄領92、私領21の計113に分けた郷村をいい、直轄領は地頭に、私領は重臣に治めさせた。当初、地頭は現地に赴任していたが寛永年間頃から鹿府に住む「掛持地頭」となった。地頭職の最重要事項は、軍事力の構成員である衆中の把握であり、そのために衆中に対する権限が明確であった。 外城衆中が他外城への移住を希望する場合は、地頭の了解が必要であった。例えば外城衆中が鹿児島へ移住を希望するときは、外城衆中が鹿児島へ申し出る前に、まず地頭の承諾を得る必要があった。そして地頭が鹿児島老中へ上申する段取りとなる。 知行所の付与についても、外城衆中が直接鹿児島老中へ願い出てはならず、必ず地頭の事前了解を得ていなくてはならなかった。 地頭は、外城衆中の不当行為に対して、罰則を加えることが出来た。 このような外城衆中に対する直接的統制手段を踏まえて、地頭の責務は次の通りであった。 藩から命じられる軍役(兵士、夫丸、武器)の調達である。また戦時平時に関係なく、勤仕すべき鹿児島殿中御番や番普請、年頭御雜掌等が課せられた。 民政官の側面に賦課されるものとして「夫役」或は「公役」という恒例・臨時の諸賦課の進納及び衆中居住地域の麓並びに商業集落などの経営などがあった。
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