地獄堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 20:36 UTC 版)
西門に入って右手に地獄堂がある。入り口の壁面には「地獄度・極楽度チェック」というコーナーが設けられており、10問の2択の質問に答え、その結果によって地獄行きか極楽行きかの判定がなされる。 堂の中は薄暗く、閻魔大王や2メートル以上ある鬼の像が置かれており、閻魔大王の前にあるドラを叩くと、大王がしゃべり出し、地獄の様子がビデオで映し出される仕組みとなっている。その恐ろしさに途中で泣いて逃げ出す子も多いが、最後は閻魔大王が「こんな所に行かぬよう、悪いことをせず、自分の命を大切に」と諭すという。 地獄堂の設立は1989年。当時は中高生のいじめや自殺が大きな社会問題となっており、住職の川口良仁は何とか出来ないかと考えていた。そんな中、近所の高齢の女性から「昔、親に「悪い事をしたら地獄へ落ちる」と怖い顔で何度も言われ、そのせいで年を取っても悪い事をする気になれなくなった」という話を聞き、それをヒントに江戸時代からあった古い堂を改装し、名前を「地獄堂」と改めた。当初は人が入ると自動ドアで扉が締め切られる仕様だったが、あまりの恐怖に叫び出したり、非常ベルを押したりする人が続出した為、ドアを開けっぱなしにしている。閻魔大王が「命を大切に」と言っているのは、子供の自殺が頻発していた頃であった為だという。 地獄堂を出た所には中に首を突っ込むと地獄の窯の音が聞こえるという穴の開いた石がある。
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