地域交流と情報発信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 14:30 UTC 版)
2017年5月現在,日本全国に存在する98のモスクの中で、活発な地域交流を行っているモスクは名古屋モスクを含む数ヶ所だけであり、多くのモスクでは日本人のための窓口もないのが現状である。本来モスクは礼拝の場であり、地域交流などのコミュニティ活動が企画・実施される必然性はないが、名古屋モスクでは近隣の住人たちと活発な交流を行っている。前節で解説した自主グループによる各種の活動も、ムスリムでない人に対しても開かれており、興味をもった非ムスリムの日本人が参加している勉強会もある。日本人にあるイスラムへの偏見や誤解はムスリムの子どもたちが葛藤や周縁化を深める一因となるが、彼らが暮らしやすい環境を育むために、日本社会とモスクが多くの接点を持つことが重要である、という考えにより、当モスクでは、対外活動、情報発信、地域交流に力を入れている。2014年以降は、企業や自治体や教育機関への出張講演や、自治体との連携なども行うようになった。 名古屋モスクは見学者も受け入れており、年間300人から400人ほどが訪れている。モスクの見学は2014年までは年に数十人程度であったが、2014年にモスクのウェブサイトに見学者受け入れの案内を掲載してからは見学者が増加したという。また、モスク入り口にはモスクの設立経緯やイスラームについての説明を記したパンフレットを置いている。このことから桜井 (2004)は、日本人にも理解してもらうための工夫を行っているとしている。また、店田 (2015)は、日本語で充実した情報があり、日本社会への発信を意図していることがうかがえるとするウェブサイトのひとつに名古屋モスクを挙げている。クレシ (2020)は、日本人に向けた発信に注力していることは名古屋モスクの大きな特色であるとしている。
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