国際法における有価証券の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:09 UTC 版)
「有価証券」の記事における「国際法における有価証券の歴史」の解説
手形法・小切手法は商人の慣習法として成立したが、17世紀に近代的統一国家が出現すると各国で手形法・小切手法が制定されるようになった。 このような各国法の違いは国際的に流通する手形や小切手の取引の障害となるため、19世紀後半には統一化が試みられるようになった。オランダ政府の呼びかけで1910年と1912年に手形法統一会議を招集し、為替手形及び約束手形の統一に関する条約が成立した。 さらに1930年にはジュネーブで手形法統一のための国際会議が開催され、1.為替手形及び約束手形に関し統一法を制定する条約並びに第一及び第二付属書、2.為替手形及び約束手形に関し法律のある抵触を解決するための条約、3.為替手形及び約束手形についての印紙法に関する条約の3条約が成立した。1931年には小切手についても手形に関する3条約に対応する条約が締結され、1934年1月1日に発効した。 大陸法系の国々ではジュネーブ統一法による統一が図られたが、イギリスは印紙法に関する条約のみの批准にとどまり、アメリカもオブザーバー資格での参加にとどまった。そのため大陸法系と英米法系の立法例が存在することになったが、有価証券のうち特に手形については国際商取引の決済手段として重要な役割を果たすようになったため、1971年の国連国際商取引法委員会で統一規則を作成することが決定された。そして1988年12月9日の国連総会で国際為替手形及び国際約束手形に関する条約が採択された。
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