国防副長官職の歴史・変遷
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「アメリカ合衆国国防副長官」の記事における「国防副長官職の歴史・変遷」の解説
現在の国防副長官職に当たる官職が創設されたのは、1949年4月2日に成立したPublic Law 81-36(第81連邦議会で可決された一般法第36号という意味)によってである。同法の成立によって、国防長官に次ぐ第2位の役職として「国防次官」(Under Secretary of Defense)のポストが新設され、同年5月2日には初代国防次官としてスティーヴン・アーリーが就任している。 同じように、現在の副長官職に相当するポストが「次官」として設置された例として、国務省における国務次官ポストが挙げられるが、国務次官のポストが「国務副長官」という名称に改められたのが1972年のことであるのに対し、 国防次官のポストが国防副長官という名称に改められたのはそれと比べて非常に早く、次官職が創設されてからわずか4ヶ月後の1949年8月10日のことであった。この日可決されたPublic Law 81-216(第81連邦議会で可決された一般法第216号)は、1947年に制定された国家安全保障法を修正する法案であったが、この中で国防次官職は国防副長官とその役職名が改められた。この法案の成立により、初代国防次官として在任中であったアーリーは同日をもって初代国防副長官に就任した。 その後しばらく国防副長官職について動きはなかったが、1972年10月27日に成立したPublic Law 92-596(第92連邦議会で可決された一般法第596号)において、「第二国防副長官」(Second Deputy Secretary of Defense)なる新しいポストが設置された。 この「第二国防副長官」は、従来の国防副長官とともに国防長官を補佐し、長官の指示に従って任務に当たることとされていたが、第二国防副長官のポストは設置後しばらく空席の状態が続き、1975年12月23日にジェラルド・フォード大統領の任命によりロバート・エルズワース(Robert F. Ellsworth)が初めてこのポストに就任している。エルズワースはその後1977年1月10日まで同職を務めて退任しているが、後任者は指名されなかった。その後1977年10月21日に成立したPublic Law 95-140(第95連邦議会で可決された一般法第140号)において、この「第二副長官」職は廃止され、代わりに長官、副長官に次ぐポストとして国防次官(Under Secretaries of Defense)職が設置された。以降現在に至るまで、国防次官のポストは筆頭格である政策担当国防次官をはじめ担当職域ごとにポストが増設されるなどした結果、現在は5つの次官ポストが存在するが、第二国防副長官のポストが再設置されたことは一度もない。従って、エルズワースは初代かつ唯一の第二国防副長官である。 なお英語版ウィキペディアの本項ではエルズワースを歴代の国防副長官にカウントしているため(2018-12-31T22:28:24の版)、エルズワース以降の代数が日本語版の本項とは1代ずれている。
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