国鉄ED30形電気機関車 (2代)とは? わかりやすく解説

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国鉄ED30形電気機関車 (2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/12 18:38 UTC 版)

国鉄ED30形電気機関車 (2代)
基本情報
運用者 日本国有鉄道
製造所 国鉄浜松工場
製造年 1962年
製造数 1両
廃車 1976年
主要諸元
軸配置 Bo-Bo
電気方式 直流1,500V
単相交流20kV 60Hz
全長 14,500 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,290 mm
空車重量 63.48 t
運転整備重量 64.00 t
台車 主台車DT123
動力伝達方式 1段歯車減速ツリカケ式
主電動機 MT28A × 4基
歯車比 20:83=1:4.15
制御方式 抵抗制御、直並列切替制御
制御装置 電磁空気単位スイッチ式
制動装置 電磁制御式空気ブレーキ(非重連)
ネジ手ブレーキ
最高運転速度 75.0 km/h
定格速度 41.5 km/h (1時間定格)
定格出力 960 kW (1時間定格)
定格引張力 8,200 kg (1時間定格)
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ED30形は、日本国有鉄道(国鉄)が製造した試作交流直流両用電気機関車である。なお、この形式は2代目である。

概要

国鉄浜松工場において、廃車となったEF55形3号機の主電動機輪軸を流用し、1962年昭和37年)に1両(ED30 1)が製造された。北陸本線坂田駅 - 田村駅間のデッドセクション(交直境目)を挟む区間に投入された。

運用区間や折り返し時間が短いことから車体は凸型とされ、交流避雷器、空気遮断器等の屋上特高圧機器は運転室上に設けられた巨大なの上に設置されている。パンタグラフもこの庇に設置されているが、占有面積を減らすために当時としては珍しい下枠交差型のPS20形を採用した[1]

運転装置にも試作的要素がみられ、ワンハンドルマスコンを備え、ノッチの進段は順序開閉器電磁制御によって自動的に行われる。また、新しい方式のデッドマン装置が設備されている。

台車は揺れまくら装置なしのDT123形。なお歯車装置はEF15形と共通、シリコン整流器をはじめとする交直流設備は471系電車と同一品を用いることで、トータルコストの低減も図られていた[2]

デッドセクション区間の接続に用いられる低コストな小型交直両用機のモデルケースとして、EF55形等の電装品流用により、更に5両の製造が計画されていた模様であるが、実際には汎用性に欠ける小型特殊機であることがネックとなって増備は為されず、1形式1両の完全な試作機関車として終わった。

北陸本線米原 - 田村間でのデッドセクション接続運用にしばらく用いられたものの、後に鉄道技術研究所へ送られて実験車両にされ、1976年(昭和51年)に廃車となった。その後廃棄処分され、現存しない。

脚注

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  1. ^ 下枠交差型パンタグラフは、国鉄では1964年(昭和39年)の新幹線0系電車在来線では1968年(昭和43年)の北海道向けの車両(ED76形500番台電気機関車711系電車)で本格的に採用された。
  2. ^ ED30形1両の定格出力と、471系を含む国鉄新性能電車における1C8M構成1ユニットの定格出力は、ほぼ同クラスになるため、このアイデアが実現した。

参考文献

  • 「北陸線用交直流機関車ED30」鉄道ファン 1962年11月号(No.17)

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