回転摩擦による方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 23:13 UTC 版)
「発火錐」も参照 キリモミ(錐揉み)式 木の板(火切り板)の凹み(火切り臼)の上に垂直に立てた(以下の3方式も同様)木の棒(火切り杵)を両手で挟み、下に押しつけながら手をこするようにして回転させる。和光大学名誉教授の岩城正夫が実践的研究を行っている。熟練者は10秒ほどで火種を作ることができる。 日本では、縄文時代に使われた火切り臼が真脇遺跡(石川県)から出土している。 ヒモギリ(紐錐)式 木の棒に紐を1・2回巻き付け、左右に引いて回転させる。一人が棒を上から凹んだ石などのハンドピースで押さえ、もう一人が紐を引く共同作業で操作する。熟練者は3-8秒程度で火種を作ることができ、非力な小学生や女性でも少し練習すれば発火できる。 ユミギリ(弓錐)式 木の棒に弓(火起こし専用の小型のもの)の弦を1回から2回巻き付け、弓を押し引きして回転させる。紐錐式に似ているが、一人で行える。効率良く作られた、適度な大きさの道具では、熟練すれば3-8秒ほどで火種を作ることができる。 マイギリ(舞錐(英語版))式 短冊状の横木の中央に孔を開けて棒を通し、横木の両端付近と棒の上端付近を紐で結ぶ。棒の横木より下の部分にはずみ車をつける。 紐を棒に巻き付けると横木が持ち上がる。その状態から横木を押し下げると、巻き付いた紐がほどけるにつれて棒が回転し、その勢いで紐が今度は逆方向に巻き付く。これを繰り返す。 なお、回転摩擦式の場合には古代エジプトのツタンカーメン王墓の副葬品に例があるように、棒の先端部分を差し込み式にして交換できるようにすると、錐本体を消耗品にしなくて済む。その場合、先端には中空なウツギや、アジサイ、クルミの細枝のように、芯にスポンジ状の髄がある樹種が適する。これは太さに比較して摩擦面積を小さく出来るため、温度を上げやすいからである。
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