和光_(商業施設)とは? わかりやすく解説

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和光 (商業施設)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 16:28 UTC 版)

セイコーグループ > 和光 (商業施設)
株式会社和光
Wako Co., Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本
104-8105
東京都中央区銀座4-5-11
設立 1881年(小売部門独立は1947年
業種 小売業
法人番号 7010001060878
事業内容 高級装飾品や食品の販売
代表者 代表取締役社長 庭﨑 紀代子
売上高 160億6,400万円
(2024年3月期)[1]
営業利益 14億6,000万円
(2024年3月期)[1]
経常利益 14億9,200万円
(2024年3月期)[1]
純利益 10億5,400万円
(2024年3月期)[1]
純資産 △19億3,600万円
(2024年3月期)[1]
総資産 80億9,600万円
(2024年3月期)[1]
主要株主 セイコーグループ株式会社 100%
関係する人物 服部金太郎
外部リンク http://www.wako.co.jp/
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夕暮れの和光

和光(わこう、英称:Wako)は、東京都中央区銀座に本社を置くセイコーグループ傘下の株式会社和光が展開する日本商業施設である。2022年6月10日には、1-4階の店舗と比べて利用が限定的だった5階以上のフロアを改修してセイコーブランドの発信拠点とし、建物の名称も「SEIKO HOUSE GINZA」(セイコーハウス銀座)と改称し新装開業した[2]

概要

渡辺仁が設計した「銀座和光」とも呼ばれる本店・本館の和光ビルは、東京銀座の中心である銀座四丁目交差点に面しており、特徴的な時計塔の存在もあって銀座のランドマーク的存在である。時計塔には鐘楼があり、店舗営業時間中の毎時0分にウェストミンスターの鐘を演奏し時刻数の鐘を鳴らす[3][4]

腕時計、宝飾品、陶磁器バッグなどの高級装飾品や、インテリア雑貨、食品などを扱い、「Wako」の名を関したプライベートブランドの腕時計(セイコー製)も販売しており、日本国内外の著名人が多く訪れる高級専門店として有名である。

地下1階では、食器、インテリア装飾品、置き時計、小型家具、カーペットなどの家庭用品を取り扱い、1階では、セイコーブランドの腕時計に加え、ジャガー・ルクルトグラスヒュッテ・オリジナルIWCパネライフランク・ミュラーボーム&メルシエピアジェなどの輸入高級腕時計ブランドを取り扱っている。2階には、セイコーの最高級ブランドを扱うグランドセイコーフラッグシップブティックとクレドールジュエリーサロンがあり、通常ラインアップに加えて和光限定モデルも取り扱っている。ここでは、高額な予算や貴金属の使用など一定の条件を満たせば、世界に一つだけのグランドセイコーのカスタムオーダーが可能である[5]

3階は婦人服、ハンドバッグ、アクセサリー、4階は紳士服、眼鏡、アクセサリーなどを取り扱っており、5階は招待客のみが利用できるゲストラウンジ、6階は展示会やイベントなどに利用されるセイコーハウス銀座ホール(旧・和光ホール)がある[5]

7階には「アトリエ銀座」と名付けられた時計工房があり、セイコーの最精鋭時計職人による少人数制のチームが、グランドセイコー「Kodo」をはじめとするブランド最高峰の機械式時計を製作している。アトリエ銀座では、毎週特別に招待された1組程度に限定で時計製造工程の見学ツアーも開催している[5][6]

2025年時点で和光は銀座において、この本館の他に、ブライダルブティックギンザ、和光サイト銀座、セイコードリームスクエア、グランドセイコーブティック銀座、オリス銀座ブティックを営業している[7]

歴史

1881年12月、服部金太郎が21歳で「服部時計店」(現:セイコーグループ)を采女町(現在の銀座)に[8]創業。服部は中古時計の修理・販売で身を立てた人物だが、服部時計店を通じて輸入時計・宝飾品の販売も手掛け始め、信用を得る[8]

1894年、服部は朝野(ちょうや)新聞社屋があった銀座四丁目交差点の角地を買い取り[8]、同年に初代の服部時計塔を完成させ、翌1895年から営業を開始した[8]1921年、この初代時計塔は改築のために解体された。1932年6月10日[8]、この地では2代目となる服部時計店本社ビル・時計塔(現在の和光ビル)が竣工し、その2日後に営業が開始された[8]。初代の解体から2代目が完成するまで11年の歳月を要したのは、1923年に2代目の基礎工事を開始したが同年に関東大震災に見舞われて工事が中断し、1930年になってからようやく工事が再開したからである。この2代目の現在の和光ビルは渡辺仁が設計したネオルネサンス調ビルディングであり、外装には、地震・火災対策として、全て天然石が使われた[8][9]1945年の敗戦直後には、進駐軍によりPX(基地内売店)として接収されたため、服部時計店は銀座五丁目の仮営業所での営業再開を余儀なくされた[8]

1947年、服部時計店の小売部門を継承して「和光」が設立され、仮営業所での営業を開始した[9]1952年12月8日、接収が解除され、「和光」として営業を再開した[8]。この時からショーウィンドウのディスプレイも始まり[8]、今日に至る。1954年の「時の記念日(6月10日)」からは[8]、今や銀座名物となった「ウェストミンスターの鐘(ウェストミンスター・チャイム)」も鳴らし始めた。

日本におけるテレビコマーシャルの第1号とされる、1953年の精工舎(現:セイコーグループ)の午後7時の時報では、終盤に和光ビルの時計塔の映像が採用されている。

和光ビルは前述の通り、1932年に服部時計店の本社ビルとして竣工したが、セイコーの本社はその後虎ノ門に移り、2016年には銀座1丁目に移っている[10]

かつては、「並木館」、「時計サロン」、「ギフトショップ」、「メガネショップ」、「チョコレートサロン」、「ベビーギフトショップ」、「インテリアショップ」「セイコー プロスペックスブティック 銀座」などの店舗が存在した(並木館は2008年1月にオープンしたが、不採算部門であるレストラン事業からの撤退を決め、9階の「WAKO CAFE」と10階の「レストラン THE WAKO」が2011年2月に閉店。並木館全体も同年9月に閉館した)。

和光ビル本館は、2008年に300日間閉館し、耐震補強・防災機能付加を中心とした大規模な改装工事を行い[8]、同年11月22日にリニューアルオープンした。

小売業でありながら、かつては日曜日祝日は休館であった。しかし、2010年10月から、本館と並木館では日曜、祝日も営業するようになり、2011年2月のレストラン THE WAKOの閉店で銀座地区の全店舗が無休となった。2008年にセイコーホールディングス(セイコーHD)から20億5000万円の増資を受ける。セイコーHDによれば、2010年時点において17億円の債務超過の状態にあった[11]

支店・ブティック

羽田空港の第1ターミナルおよび第2ターミナル、大阪西心斎橋ホテル日航大阪1階に支店があり、ブティックも、名古屋観光ホテル店、松坂屋名古屋店、札幌パークホテル店、大丸福岡天神店などに展開する。ホテルオークラ店(東京)ホテルオークラ新潟店にあったブティックは既に閉店している[7]

ギャラリー

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d e f 株式会社和光 2024年3月期決算公告
  2. ^ “SEIKO HOUSE GINZA公式サイト”. SEIKO HOUSE GINZA公式サイト. (2022年6月10日). https://www.seiko.co.jp/seiko_house_ginza/ 
  3. ^ 銀座・和光 時計塔の歴史
  4. ^ 3月11日(土)、和光の時計塔から「未来への希望の鐘」を鳴らします。 和光、2023年3月6日。
  5. ^ a b c Grand Seiko Manufacture Tour Part 3: The Seiko House Ginza (Wako Main Building)”. Time and Tide Watches. 2025年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月18日閲覧。
  6. ^ A Tour Of Grand Seiko, Part 1”. Hodinkee. 2025年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月18日閲覧。
  7. ^ a b 各店舗”. Wako. 2025年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月18日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l 『日経マガジンスタイル WAKO Special』2021年4月8日(企画・制作/日本経済新聞社 企画協力/和光)p.12-13「和光と時計塔の歴史を繙く」。
  9. ^ a b 和光ビル(旧服部時計店本社ビル)”. Sanko Estate Co., Ltd.. 2023年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  10. ^ 銀座のセイコー新社屋を訪問--エントランスに世界時計「Seiko Space Eye」”. CNET Japan. 2024年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月19日閲覧。
  11. ^ MSN産経ニュース 【ドラマ・企業攻防】名門セイコーの“病巣” 血族たらい回しで統治機能マヒ(2/3ページ) Archived 2010年5月18日, at the Wayback Machine.
  12. ^ 柳町功戦後日韓関係の形成とその経済的側面 : 担い手たちの行動を中心に」『經濟學研究』第71巻第1号、九州大学経済学会、2004年11月、51-72頁、CRID 1390290699812551168doi:10.15017/3763hdl:2324/3763ISSN 0022975X 

外部リンク

座標: 北緯35度40分18秒 東経139度45分54秒 / 北緯35.671607度 東経139.765027度 / 35.671607; 139.765027


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