君主号ないし爵位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 08:45 UTC 版)
中世以降のヨーロッパで国王(英: king、仏: roi)という称号が君主に対するものとして一般的になると、国王と名乗ることまでは承認されないが実質的に君主と見なされる貴族が、ラテン語でプリンケプスに相当する称号(英語ではプリンス)を名乗る例が現れる。このような称号は、日本語では、公、侯(ドイツ周辺)、大公(フランス周辺)など様々に訳される。他に「君主」という意味や「諸侯」という意味でも用いられる。 プリンスの支配する国のことを英語でプリンシパリティ (principality) といい、公国(ドイツの場合は侯国とも)と訳す。プリンスを称する君主による君主制が現在も残っている国には、モナコ公国(仏: Principauté de Monaco / 英: Principality of Monaco)、リヒテンシュタイン公国(独: Fürstentum Liechtenstein / 英: Principality of Liechtenstein)があり、またアンドラ公国(カタルーニャ語: Principat d'Andorra / 英: Principality of Andorra)はフランス大統領とスペインのウルヘル司教が共同大公(コ=プランス(仏: co-prince) / コプリンシペ(西: copríncipe))として君臨している。 ドイツでは、この「プリンス」の意味では、フュルスト(Fürst)を称号に用いる。神聖ローマ帝国では、近世以降、ヘルツォーク(Herzog 、公爵)の下の爵位として定着した。 フランスにおいては、デュク(Duc、公爵)の上の位としてプランス (prince) が置かれた。プランスは、親王、大公ないし公などと訳される。 イギリスにおいては、「プリンス・オブ・ウェールズ」、すなわちウェールズ公 (prince of Wales) はウェールズの君主の称号であったが、イングランド王国に吸収されその王位継承者がこの君主号を帯びることとなった。 爵位として用いられる場合には、他の爵位と同様に、特定の領地の支配権と結びつく場合もあれば、そうでない場合もある。 ちなみに日本の華族における「公爵」も英語ではプリンスと訳されることがあるが、これも爵位としてのプリンスである。
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