名義上の減資
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/15 22:09 UTC 版)
名義上の減資は、株主に会社財産の払い戻しを行わず、計算上資本金額を減少させることをいう(無償減資)。経営不振などですでに会社財産が減少し純資産が資本金額を満たさない資本欠損の状態にある場合に、これを解消するために資本金額を純資産額以下にする場合などに行われる。名義上の減資が行われていても、帳簿上の資本金額が変更されるだけで、会社財産は減少しない。 名義上の減資は、100%の減資をすることで株主資格を喪失させ、責任の一端を顕在化させることもある。しかし100%減少させる場合以外では、株主の会社に対する支配比率は変更ないので、株の価値は変わらず(株価下落以外に)株主の責任を問うことにはならない。会社法のもとでは、単に100%減資するだけでは、株主の地位に変動が生じない。このため同時に既存の株式に全部取得条項付株式に変更する定款変更、種類株式を発行する旨の規定を設ける定款変更及び全部取得条項付株式を全部取得する旨の特別決議も必要となる。 また、過去には自社が巻き込まれた犯罪の容疑者・関係者を経営から排除する為に、会社更生の過程で名義上の100%の減資と100%の増資を同時に実施した例もある(近畿放送(現在の京都放送)のケースが知られる)。
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