同位体比とは? わかりやすく解説

同位体比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 07:05 UTC 版)

同位体」の記事における「同位体比」の解説

自然界における同位体存在比を、同位体比という。太陽系内物質の同位体比は、放射性物質影響および同位体効果を除くと、極めて一様である。これは太陽系誕生時に、物質高温で熱せられ拡散したことにより、それ以前に各物質保有していた固有の同位体比が平均化されたためと考えられている。 原子量整数からかけ離れている元素複数同位体核種からなり、その比率もまばらであることが多い。例え塩素原子量は約35.5であるが、これは塩素の同位体である塩素35塩素37存在比およそ3:1なためである。これを一般化するとn個の同位体Iiからなる元素原子量AwA w = ∑ i = 1 n p i I i {\displaystyle A_{w}=\sum _{i=1}^{n}p_{i}I_{i}} で与えられる。 ただし例外的に太陽系物質ではありえない同位体比をもった粒子が、原始的な隕石から発見されており、それらは、超新星爆発赤色巨星星周など太陽系外起源持ち原始太陽系高温時代生き残った粒子だと考えられている。 また太陽系内物質であっても同位体効果などにより、パーミルオーダー (0.1%=1‰) では同位体比にも差がある。その差異分析することにより、試料起源変遷を探ることができるため、後述する地球惑星科学分野などで同位体比の測定活用されている。例えば、はやぶさ持ち帰った試料も、希ガス同位体測定により、その起源解析されている。 同位体比の測定には、主に質量分析法用いられNMR赤外分光法活用されることもある。星雲などの宇宙空間物質の同位体比を測定するには、電波観測赤外線観測利用される

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