台湾の客家語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 00:53 UTC 版)
「台湾客家語」も参照 清代に台湾に移住した客家人は、出身地によって主に以下の「四、海、大、平、安」の五種に分類されている。 四県腔(苗栗腔)広東省嘉應州府の梅県や近隣の長楽県、興寧県、鎮平県、平遠県などの四県の出身者。台湾の客家語の標準的な発音となっている。台湾では北西部に位置する桃園市の一部、苗栗県の「山線」地域、および台湾南部に位置する六堆地区(高雄市、屏東県の一部)などで用いられる。苗栗県公館あたりが標準と考えられているため、苗栗腔とも呼ばれるが、ただし苗栗と六堆では、一部語彙が異なり(たとえば、接続助詞andにあたる lau1(苗栗など北部)とthung2(南部)など)、中華民国教育部による『客家語拼音方案使用手冊』のように後者を南四県腔として分ける事もある。 海陸腔(新竹腔)広東省恵州府の海豊県、陸豊県の出身者が用いる(ただし広東省の当該地域は現在では閩南語化しているところが多い)。台湾では四県腔に次いで広く用いられる。桃園県新屋郷、観音郷、新竹県の大部分で用いられる。台湾の場合、声調の調値の高低の向きが四県腔と逆になっており、四県腔よりも調類が一つ多い(去声が二つある)。 大埔腔(東勢腔)広東省梅州市の大埔県出身者が用いる。台湾では台中市の東勢区、石岡区、新社区に分布する。発音は四県腔に近い。 饒平腔広東省潮州府の饒平県、恵来県、普寧県、掲陽県、海陽県、潮陽県出身者が用いる。台湾では苗栗県卓蘭鎮、彰化県員林鎮、永靖郷、田尾郷、及び新竹県の一部に分布する。発音は大埔腔と近い。 詔安腔福建省漳州府の詔安県、南靖県、平和県、雲霄県出身者が用いる。福建省では優勢な閩南語と同じ語彙を多く持つが、漳州の閩南語の調値とは高低が逆のように感じられる。台湾では雲林県崙背郷、二崙郷、西螺鎮と桃園県八徳区、大渓鎮、龍潭郷に分布するが、人口はきわめて少なく(数千人とされている)、他の客家語母語話者からも理解がしづらい方言となっている。
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