古代の鉄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 02:58 UTC 版)
イギリスの科学史家のM.J.T.ルイスによれば、ディオルコスはその上を走る車両を誘導して外れないようにする、整えられた線路を準備するという基本的な考え方が、鉄道を象徴しているという。全長は6キロメートルから8.5キロメートル程度、およそ650年間にわたって定期的かつ頻繁に使われ続け、費用を払えばだれでも使えるという、ルイスによれば1800年頃になるまで再現されなかった公共鉄道という性質も持っていた。また、その平均の軌間は160センチメートル前後で、現代の標準軌に類する。 しかし、発掘された線路の詳細な調査によれば、やや異なる像が浮かび上がる。東端付近においては、車両の車輪を誘導するために石の板に顕著に溝が刻まれているのに対して、西側の区間においては単に摩耗の結果に過ぎない、あるいはまったく溝が刻まれていないと見る歴史家もいる。一方で、この道路の区間の著しい上反りは、意図的な線路であると見た方がよいかもしれない。一般的に、溝が様々な形態となっているのは、ディオルコスが非常に長い期間にわたって運行されたということで説明できるかもしれない。その期間中に、変更や修理が行われて、線路の形態を大きく変えてきたであろうからである。
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