叙聖・妻帯の有無
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 08:47 UTC 版)
主教は土地の信者と聖職者から推挙を受けて選出され、他の主教3人以上によって叙聖される。しかし古代には、聖職者でない一般男性信徒が推挙されることもあった。聖職者でない者の選出の例としては、コンスタンディヌーポリ総主教フォティオスの例がある。 古代には、妻帯した者が主教を務めることもあった。4世紀にまとめられたとされる聖使徒規則第5条には、「主教或は司祭或は輔祭は敬虔を辞として己の妻を逐ふ可からず」(主教、司祭、輔祭は敬虔を理由として離縁・妻を追い出してはならないの意)とある。しかし6世紀以降、祈りの中心になるのにふさわしいとされて主教の候補は修道士のみに限られるようになった。ただし稀に、適任者が他に居ない場合、妻帯司祭から主教が選ばれる事もある。この場合、司祭とその妻は婚姻生活を解消し、同時に修道院に入る事が求められる。日本正教会でもかつて、ニコライ小野主教がこのケースに該当した。 また、妻が永眠した司祭が修道司祭となり、その後に主教に叙聖されるケースもある。コンスタンディヌーポリ総主教イオシフ1世は妻帯司祭であったが、妻が永眠してから修道司祭となり、その後東ローマ帝国皇帝ミカエル8世パレオロゴスの精神的師父となり総主教に叙聖された(その後列聖されて聖人となっている)。同様の例としてアラスカのインノケンティも挙げられる。日本正教会では府主教ダニイル主代郁夫が同様のケース(妻帯司祭であったが妻の永眠後に修道司祭、そして主教へ)に該当する。
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