収縮・膨潤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 21:07 UTC 版)
木材は含水率に応じて伸び(膨潤)縮み(収縮)する。JISの規定では一辺3cm、厚さ5mmの試験片を用いて生材-気乾・生材-全乾の収縮度合いを測定し、それぞれを「気乾収縮率」「全収縮率」と定義している。また、含水率15%時を基準に1%の変化で起こる収縮を「平均収縮率」という。この収縮率は、円形の年輪に対して接線方向・半径方向、そして幹に沿う繊維方向でそれぞれ異なり、繊維方向の収縮が比較的小さいの対し、半径方向は10倍以上、接線方向はさらに1.6-2.0倍の数値を示す。また密度が大きければ収縮率の大きくなる。 木材の収縮は繊維飽和点以下になり結合水の排除が始まってから起こるが、含水率がはるかに高い状態でも乾燥に対して収縮が始まることがある。「異常収縮」と呼ばれるこの現象は、自由水が遊離する際に細胞構造を壊すことで発生し、表面の陥没(「落ち込み」という)を起こす。 このような収縮は木材の中で一様には起こらない。これは、含水率変化による収縮とは異なる生長時の応力や節の存在、旋回木理(らせん木理: 繊維が左右にずれて配行している状態)・交錯木理(繊維が交互にずれて配列している状態)などが加わるためであり、反り・幅反りや曲がり、ねじれなど複雑な変形現象となって現れる。
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