反事実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:50 UTC 版)
反事実的な命題とは、偽の前提を持つ条件命題である。例えば、「もしジョセフ・スワンが現代の白熱電球を発明していなかったとしたら、いずれにせよ他の誰かが発明しただろう。」という命題は反事実である。実際にはジョセフ・スワンが現代の白熱電球を発明しているからだ。 反事実についての最も直接的な課題は、その真理条件を説明することである。これに対してまず、事実に反する条件付きの内容を示し解釈する際には背景情報が想定されており、この背景情報はいずれも、その時点での(反事実に先行する)世界に関する真の命題なのだと主張する者がいるかもしれない。先程のスワンについての命題で言えば、技術の歴史的傾向、人工的な光の有用性、電気の発見などがある。これは説明の最初ですぐに間違いが見つかる。「ジョセフ・スワンは現代の白熱電球を発明した」は真の命題の一つだからだ。ある命題("S"と呼ぶ) と反事実的前提("¬S") の結合から、我々は任意の結論を導き出すことができ、そして、あらゆる反事実的条件からは任意の命題を続けられるという歓迎されない結果がもたらされる (爆発律を参照) 。 ネルソン・グッドマンは、『事実・虚構・予言』の中で、この問題と関連する問題を取り上げている。そして、デイヴィド・ルイスによる有力な可能世界論の明確化は、この問題を解決するための努力に広く応用されている。
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