原爆詩集『序』
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原爆詩集『序』は峠の代表作であり、原子爆弾をテーマにした詩の中で名作の1つとされている。詩の中での記述から『にんげんをかえせ』という題でも広く認知されている。表紙画、挿画は四國五郎。 朝鮮戦争の際、アメリカ軍が交戦する中国人民志願軍に対し原子爆弾での攻撃を考えているという事をニュースで知った峠が、アメリカ軍は原子爆弾を安易に使用しようとしていると考え、文書を全てひらがなで記述するという手法を用いて、批判的な感情を抱き詠んだ詩である。 この詩の一文である『にんげんをかえせ』の部分は、後に『10フィート運動』によって日本に返還された米国撮影の原爆記録フィルムを元に、橘祐典監督が編集・制作した原爆ドキュメンタリー映画の第一作目の題名に引用され、木下惠介が永井隆の手記を元に監督した映画『この子を残して』のエンディングの歌詞として全文が引用されている。 死後10年経った1963年(昭和38年)、広島市平和公園内に「にんげんをかえせ」の詩碑が建立された(設計デザインは、画家・詩人で峠の盟友として協働した四國五郎)。 また、出生地に程近い、大阪府豊中市岡町北の市立岡町図書館玄関前にも、1995年(平成7年)、「にんげんをかえせ」の詩碑が建てられた。
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