原作との対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 20:47 UTC 版)
短編集形式の『雨月物語』からの2篇、「浅茅が宿」と「蛇性の婬」が原作である。「浅茅が宿」は、行商に出た男が数年ぶりに帰ると、我が家から微かに光が漏れており、出迎えてくれた妻と一夜を共に過ごすと辺りは荒れ地になっていて、実は妻は死んでいてその幽霊に迎えられていたという話。「蛇性の婬」は、男が豪邸に住む女に見初められるが、その女は実は物怪で……(原作はまだ続く)という話である。 これらは、兄の源十郎と宮木の物語に使われている。物語の大枠は「浅茅が宿」だが、源十郎が長く家に帰らなかった理由が、「蛇性の婬」の要素に差し替えられている。 ただし、多くの固有名詞や設定は異なる。主要人物の中では、妻の名「宮木」だけが原作どおりである。地理も異なるが、映画の舞台の近江国は、「浅茅が宿」の主人公が帰路で病に倒れる地として現れている。 原作との相違浅茅が宿蛇性の婬映画男の名勝四郎 豊雄 源十郎 職業没落した地主 網元の三男 窯業を兼業する農民 所在下総国葛飾郡真間 紀伊国三輪崎 近江国 子なし(描写なし) 1子 戦災享徳の乱 (1455) 賤ヶ岳の戦い (1585) 行商先京 長浜 行商の品田畑を売って買い付けた絹 源十郎が焼いた焼物 宮木のその後死ぬまで留守を守り続ける 途中まで同行するが、帰路で客死 男が帰らなかった理由帰路、病に倒れ、療養中に根を下ろす 幽霊の家に住まう 女怪の名 真女児(まなご) 若狭 女怪との出会い 雨宿り 焼物の買い手 女怪の正体 蛇の邪神 幽霊 本作は『雨月物語』の他に、モーパッサンの短編小説「勲章」を元にしているが、明確に「勲章」を基にしたストーリーや設定はないものの、「妻の貞操と引き換えに念願の勲章を手に入れる」というモチーフが、弟の藤兵衛と阿浜の物語と共通している。
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