占いと祈祷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 16:37 UTC 版)
占術は基本的に神霊が祈祷師に憑依し、神託としての予言や預言や啓示、託宣を垂れることをいい、これは、ユダヤ教やキリスト教やイスラム教などでも同様に観察される。ヘブライ語で預言を垂れる、という意味のヒッティーフは、元「(涎を)垂らす」の意であり、『サムエル記』では忘我状態で神の言葉を述べる聖者を指して使われるが、日本の神社神道も巫(かんなぎ)といわれる神主や巫女が、神の憑依体(依り代)となって神の御言を述べる。同様に神託を伝える儀式として亀甲占いや年始の神事、その簡易としての「おみくじ」等の占いがある。なお柳田國男は、年始に行う花札や百人一首のようなカードゲームを、「占術の零落した物」とする。同様にサムエル記上14章41節では、預言者サウルが胸ポケットに入れたウリムとトンミムと呼ばれる物を無作為に取り出して、神意を問うシーンがある。結局は原始宗教、宗教または、それによって律せられる土着の習俗において、神霊を信じ、その神霊に祈る(祈祷)ことで神頼みをし、その啓示を人生の指針として身をゆだねるというのは、占いと変わらないともいえる。このように現在の宗教の多くは原始宗教からの「機会」を神の啓示とする呪術的要素を備え継承している。
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