十字軍運動の魅力の秘密
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 06:05 UTC 版)
「第1回十字軍」の記事における「十字軍運動の魅力の秘密」の解説
もともと十字軍は一部の騎士に対する呼びかけであったが、やがて膨大な人数を動員して移民活動のような状況を呈することになった。十字軍への呼びかけというのは当時のカトリック教徒にとって魅力のある言葉だったのである。東方のビザンツ帝国やイスラム諸国がもたらす発達した文化や洗練された工芸品や文物、富は西欧の人々を魅了していたのである。下級騎士は封建制度の息苦しさと貧困から逃れようとし、農民や職人も貧しく困難な日常から逃れたいという気持ちを持ち、東方には豊かで文明的ではあるが柔弱な世界が広がっていた。西ヨーロッパ中世におけるキリスト教徒の2つの生き方、聖なる戦士と巡礼者が一つに結びついたのである。戦闘に参加した者に免償が与えられる、あるいは戦闘で死んだ者が殉教者となりうるというのは、十字軍運動の中で初めて生まれた概念であった。そして十字軍に参加することで与えられる免償は、エルサレムへ詣でるという巡礼者としての免償と、キリスト教戦士として戦うという免償の二重の意味があるため、どちらにせよ免償を受けられるというのが魅力であった。このように宗教的なものから、世俗的なものまで、さまざまな動機によって十字軍運動に身を投じたのである。
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