十勝丸機関室火災事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 14:14 UTC 版)
「渡島丸 (2代)」の記事における「十勝丸機関室火災事故」の解説
竣工からわずか4ヵ月の新造船十勝丸(2代)は、1970年(昭和45年)10月26日、68便(4時間30分運航便)として20時45分函館第3岸壁を出航、21時50分頃総括制御室で監視業務中、第2主機室の火災表示と警報あり、係員が直ちに現場へ急行した。右舷4号主機械第5、6シリンダー付近より出火しており、最寄りの消火器で初期消火に努め、全主機械停止ならびに燃料・通風一斉停止したが火勢強く、第2主機室密閉のうえ、同室の泡消火器を発動し、さらに車両甲板スプリンクラー放水で冷却。23時00分消火確認後徐々に密閉を解除して室温を下げ、焼損状況調査にて自力航行可能と判明したため、大間灯台より313度 3.5海里より第1主機室の主機械4台にて運航し、27日1時41分函館第4岸壁に着岸した。漂流は3時間に及んだ。 原因は右舷4号主機械L列第5シリンダーの燃料弁冷却油入口管折損部から冷却油(軽油)が霧状に噴出し、高温の排気管等に触れて炎上したもので、当該管は本来継目無鋼管を用いるべきところ、溶接部に未溶着部分のある粗悪な電縫鋼管が用いられ、エンジンの振動がこの管の不良個所に応力集中して折損したと推定された。 十勝丸(2代)は応急修理の後、10月27日20時45分発の68便より復帰し、以後11月3日の函館第3岸壁19時40分着の63便まで1日2往復の4時間30分運航を行い、11月4日、本格修理のため函館ドックへ入場した。
※この「十勝丸機関室火災事故」の解説は、「渡島丸 (2代)」の解説の一部です。
「十勝丸機関室火災事故」を含む「渡島丸 (2代)」の記事については、「渡島丸 (2代)」の概要を参照ください。
- 十勝丸機関室火災事故のページへのリンク