医薬品での注意事項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:45 UTC 版)
医療用医薬品で夜盲症・くる病等の治療薬として古くから使われるビタミンA油製剤の「チョコラA」(エーザイ)は、1回の服用だけで最低2,000 IU以上のビタミンAを摂取した事になる。ただ、大量・過剰摂取あるいは後述のトレチノイン系製剤との併用をしなければ過剰症に陥ることはない。「チョコラAD」には一日分の用量で4,000 IU含まれるため、サプリメントや食事の兼ね合いに注意が必要である。広く流通されているビタミンB6製剤の「チョコラBB」シリーズにはビタミンAは含有されていない。 特に高濃度化されたレチノイドの内服薬には、乾癬治療薬のエトレチナート(商品名チガゾン、ロシュ社)、急性前骨髄球性白血病治療薬のオールトランスレチノイン酸(ベサノイド、ロシュ社)、タミバロテン(アムノレイク、東光製薬)があり、催奇形性のため、男女とも一定期間性交しないことを前提にし、特にエトレチナートでは同意書に署名をして初めて処方される。ベサノイドでは重大な副作用としてレチノイン酸症候群と言う重篤な過剰症があり、これは最悪の場合多臓器不全を起こすものである。緊急処置の体制上、原則入院のうえ処方される。 「レチノイド」も参照 乾癬の治療や白血病の治療ではビタミンAのもつ細胞分化作用を用いているがビタミンAにはそれとは別に抗酸化作用があると言われている。低比重リポタンパク質 (LDL) が酸化され動脈硬化が進展するというLDL酸化説という仮説があり、抗酸化作用を持つビタミンAの摂取により動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞など動脈硬化性の病気を予防できる可能性が主張されたが、現在の知見ではビタミンAの摂取で心筋梗塞が予防できるという疫学的なデータは存在しない。
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