動力伝達効率
クラッチ、トランスミッション、各ジョイント(等速、ユニバーサルなど)、プロペラシャフト、ファイナル(終減速機)など、動力伝達装置を構成する各部の歯車や軸受けには、摩擦、衝撃、潤滑油の攪拌などによる損失が発生する。損失を差し引いた実効トルクまたは馬力と、エンジン出力(トルクまたは馬力)との比を動力伝達効率という。走行性能線図を作成する場合は、以下の数値を使用する。(1)乾燥単板クラッチ付きトランスミッション(前進4速の場合)歯車噛み合い:95~98%、直結:99%、(2)流体トルクコンバーター遊星歯車式トランスミッション、流体トルクコンバーターの伝達効率:トルクコンバーターの入力側(ポンプ側)と出力側(タービン側)の回転数比eで伝達効率が決まる。一般にe=0(ストール状態)で0%、e=0.8付近(クラッチポイント:トルクコンバーター域から流体継ぎ手域への変換点)で85~90%、最大効率はe=0.98付近で95%。なお、現在は通常走行(流体継ぎ手域)での効率向上のため、湿式クラッチ(ロックアップクラッチ)併用(直結)が普及している。遊星歯車装置の伝達効率:96~98%、(3)ファイナル(終減速機):95~98%である。
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