勅許会社
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勅許会社(ちょっきょがいしゃ、英: Chartered company)は特許会社(とっきょがいしゃ)とも呼ばれ、主にイギリス・オランダなどの西欧諸国で国王・女王の勅許または国家行政の特別許可状[1]をもらい設立された貿易を主とする会社である。特に植民地獲得への貿易、植民地の経済支配の目的で作られ、そうした経済活動はリスクが大きかったので、会社設立の見返りとして経済貿易に関する独占権を与えられたもの。イギリス東インド会社、オランダ東インド会社などがある。
歴史
1555年にイギリスで作られたモスクワ会社が、勅許会社としては初期の例である。大航海時代の貿易は各航海ごとに出資者を募り、航海後それを清算して解散していた。これを改めて、継続的な勅許会社が作られるようになり、それがその後株式会社に発展したといわれる。
勅許会社一覧
ポルトガル
- ポルトガルの勅許会社
- 1443年 ギニア会社
- 1500年 インドの家
- 1628年 ポルトガル東インド会社
- 1690年 カシェウ・アンド・カーボベルデ会社
- 1755念 グラオ・パラ・アンド・マランハオ会社
- 1759年 ジェネラル・デ・ペルナンブコ・アンド・パライバ会社
- 1888年 モザンビーク会社
- 1891年 ニアサ会社
- 1892年 ザンベジア会社
イギリス
- 1555年 モスクワ会社
- 1600年 イギリス東インド会社
- 1606年 バージニア会社
- 1629年 マサチューセッツ湾会社
- 1629年 プロビデンス島会社
- 1670年 ハドソン湾会社
- 1672年 王立アフリカ会社
- 1711年 南海会社
- 1792年 シエラレオネ会社
- 1752年 アフリカ商人会社
- 1824年 ヴァン・ディーメンズ・ランド会社
- 1835年 南オーストラリア会社
- 1837年 P&O
- 1839年 ニュージーランド会社
- 1847年 東部諸島会社
- 1881年 イギリス北ボルネオ会社
- 1886年 王立ニジェール会社
- 1888年 帝国イギリス東アフリカ会社
- 1889年 イギリス南アフリカ会社
オランダ
- 1602年 オランダ東インド会社
- 1614年 ニューネーデルラント会社
- 1621年 オランダ西インド会社
デンマーク
- 1616年 デンマーク東インド会社
- 1671年 デンマーク西インド会社
- 1774年 王立グリーンランド貿易会社
スウェーデン
- 1638年 ニュースウェーデン会社
- 1649年 スウェーデン・アフリカ会社
- 1731年 スウェーデン東インド会社
- 1786年 スウェーデン西インド会社
フランス
- 1664年 フランス東インド会社
- 1664年 フランス西インド会社
- 1670年 レバント会社(Compagnie du Levant)
- 1673年 セネガル会社(Compagnie du Sénégal)
- 1717年 ミシシッピ会社
- 1887年 フランス西アフリカ会社
ドイツ
- 1682年 ブランデンブルク・アフリカ会社
- 1752年 エムデン会社
- 1882年 ドイツ西アフリカ会社
- 1882年 ドイツニューギニア会社
- 1884年 ドイツ東アフリカ会社
- 1891年 アストロラーベ会社
スペイン
- 1728年 カラカス・ギプスコア会社
- 1755年 バルセロナ貿易会社
- 1785年 王立フィリピン会社
ロシア
- 1799年 露米会社
脚注・出典
関連項目
外部リンク
勅許会社
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植民地化の初期には本国政府や軍が直接進出することは少なく、しばしば勅許会社が設立されて該当地区の支配権確立と開発をゆだねられていた。こうした勅許会社で最も著名なものはインドにおけるイギリス東インド会社であるが、これは貿易を業務とする会社が次第に現地で支配地域を得るようになったもので、本来的には植民地開発を目的としていたわけではなかった。こうして商業資本から植民地経営に乗り出した勅許会社としては、他にハドソン湾会社やオランダ東インド会社などが存在する。これに対し、19世紀後半にアフリカ分割が本格化すると列強は最初から植民地化を目的とする勅許会社を設立するようになり、イギリス南アフリカ会社やドイツ東アフリカ会社、王立ニジェール会社などが相次いで設立された。これらの勅許会社は徴税権と軍隊を保持し、抵抗する現地勢力を次々と支配下におさめていった。しかしこうした勅許会社による植民地経営は必ずしもうまくいかず、多くは数年のうちに本国が直接支配に乗り出すことが常だった。
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