効用・問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 18:08 UTC 版)
運行管理者は速度や運転時間を分析することで、速度超過や無理な長時間運転の予防のための適切な指導が行えるようになったといえる。運転者としても、エンジン回転数の記録が残る事から、自分の運転を客観的に捉えるための参考になる。また、自動車の運転に関しては個々の運転手ごとにいわゆる「運転癖」(ハンドルの切り方・アクセルやブレーキの踏み具合における特徴)が少なからず存在するものであるが、違う人間が運転した場合はその癖の違いがグラフ波形パターンの違いとなって残ることから、同一の運転手がその自動車を連続して運転していたかどうかのおよその推測が付く。労務管理面では運転日報や作業報告書と併せて所定の休憩時間を確保しているか、車両を出勤点呼後に出発し退勤点呼前に入庫したかを確認できる。 一方で、それを過剰な束縛と感じる運転者も少なくない。従来型装置では記録部へ容易に手が入れられたことから、以前は例えば鉄針に輪ゴムをかけ動作を抑制する・下方に曲げるなどして、走行速度を実際より低く報告するといった改竄が常態化し、運行管理上の問題でもあった。 また、タコグラフを搭載した車両の運転手が、加古川バイパスに設置されたオービスによる取締りの際に速度超過で検挙・起訴されたが、タコグラフに記録された速度との誤差の大きさによるオービスの異常を指摘され、結局無罪になったという判例(大阪高裁 平3(う)第230号)がある。
※この「効用・問題点」の解説は、「タコグラフ」の解説の一部です。
「効用・問題点」を含む「タコグラフ」の記事については、「タコグラフ」の概要を参照ください。
- 効用問題点のページへのリンク