割子そば
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 09:56 UTC 版)
割子そば(わりごそば)は、重ねられる丸い漆器に茹でた蕎麦を盛って出したもの。三段重ねとなったものが一般的で、別途薬味と出し汁の容器がつく。これは江戸時代に松江の趣味人たちがそばを野外で食べるために弁当箱として用いられた形式が基となっている。出雲地方では昔から重箱のことを「割子」(「割盒」とも)と呼んでおり、当時の割子は正方形や長方形、ひし形などさまざまな形であったが、1907年頃に当時の松江警察署長の発議によりヒノキを用いた底の厚みのある丸形の漆器に変わった。警察署長の発議は、割子が四角形であると四隅が洗いにくく、衛生的見地から問題があると見たからと言われている。 食べ方にも特徴があり、他地方では蕎麦をだし汁の中に入れるのに対し、だし汁自体を器に入れ(このため、だし汁を入れる猪口の口が狭くなっている)、その上に青ねぎ、海苔、大根おろしと削り節などの薬味を載せて頂く。三段重ねの場合、まず一番上の割子にだし汁を入れて蕎麦を食し、食べ終わったら残っただし汁を二段目にかけて食す、というふうに、だし汁を使い回しながら上から順に食べてゆく。近年、薬味具材が豊富に盛り付けられた品や、近代の大阪食文化の影響を受けて卵(卵黄)などを載せたものなどがあるが、いずれも正統な割子そばとは言えない。 近年の出雲割子そば:例1 近年の出雲割子そば:例2
※この「割子そば」の解説は、「出雲そば」の解説の一部です。
「割子そば」を含む「出雲そば」の記事については、「出雲そば」の概要を参照ください。
- 割子そばのページへのリンク