制裁での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 06:09 UTC 版)
2012年、SWIFTはイランの核開発に対する制裁措置として、すべてのイランの銀行を国際ネットワークから切り離していた。ただし、2016年の時点で、国際的な制裁リストに含まれなくなったイランの銀行はSWIFTに再接続された。これにより、これらのイランの銀行との間の資金の移動が可能になったが、外国の銀行はイランとの取引に警戒を続けている。一次制裁により、米国の銀行とイランとの取引または米ドルでのイランとの取引はどちらも禁止されたままとなった。対イランでは2018年にも切り離しが行われた。この際にはイランの通貨であるリヤルが大暴落し、価値は制裁前の約6分の1となった。 2014年、SWIFTは、イスラエルの銀行のネットワークへのアクセスを取り消すための親パレスチナ人活動家からの電話を拒否した。 同様に2014年8月、英国はウクライナへのロシアの軍事介入により、制裁措置としてのロシアによるSWIFTの使用を阻止するようEUに圧力をかけることを計画した。しかし、SWIFTはそうすることを拒否した。 ロシアを拠点とするSWIFTに相当するSPFSは、バックアップ手段としてロシア中央銀行によって創設された。 2021年から2022年のロシア・ウクライナ危機の間、米国はロシアに対する暫定的な制裁措置を策定したが、ロシアをSWIFTから排除することは除外した。 2022年のロシアによるウクライナ侵攻に続いて、バルト諸国の外相はロシアをSWIFTから切り離すよう求めた。しかし、他のEU加盟国は、欧州の貸し手が300億ドル近くの外国銀行のロシアへのエクスポージャーの大部分を保有していたことと、ロシアがSPFSの代替案を開発したことの両方のために消極的であった。欧州連合、英国、カナダ、および米国は、2022年のロシアのウクライナ侵攻に対応して、SWIFTメッセージングシステムから一部のロシアの銀行を削除することに最終的に合意した。フランス、ドイツ、イタリア、日本の政府は、EUとともに声明を個別に発表した 。これを受けて、SWIFTは3月12日にロシアの7銀行(Bank Otkritie(英語版)Novikombank(英語版)Promsvyazbank(英語版)Bank Rossiya(英語版)Sovcombank(英語版)VNESHECONOMBANK(英語版)VTB BANK(英語版))をシステムから排除した。また、3月20日にベラルーシの3銀行を排除予定と表明した。
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