別式とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 歴史民俗用語 > 別式の意味・解説 

別式

読み方:ベッシキ(besshiki)

律令格式不備を補うために別に定められた式。


別式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/06 07:09 UTC 版)

別式(べつしき)は、江戸時代に諸の奥向き(幕府の大奥にあたる)で活動した女性の武芸指南役[1]別式女刀腰婦帯剣女とも呼称された[2]

その風貌は、寛政年間の出羽国随筆『黒甜瑣語』によれば、大小(二刀)まで差し、を剃り、眉墨もせず、青く眉の跡が残っており、着物も対丈[3]に着て、引き摺っていない勇ましい格好をしていたと記述されている。

こうした武家女性が登場・活躍した社会背景には、武家の家庭事情もある。戦国期でも公家の女性が武家に入ることで家庭が綺麗事になる事例はあったが、近世に太平の世となると、本格的に柔弱になってきて、その反動で寛文年間辺りから武門武士らしい女を珍重するようになり、一種の流行となった[4]

活動としては、竹刀打ちはもちろん、鎌術薙刀馬術などの稽古も行った[4]

『婦女勇義伝』という書物には、別式女のいる大名は17、8家あったと記す[5]。その記述によれば、仙台藩に10人、尾州に6人、水戸長州が3人、姫路肥後薩摩加州が4人。紀州にもみられたとする[4]

脚注

  1. ^ 稲垣史生 『三田村鳶魚 江戸武家辞典』 青蛙房 2007年 p.79.
  2. ^ 同『江戸武家辞典』によれば、「別式」の呼称が最も多いとしている。
  3. ^ ついたけ(つったけ)。おはしょり無しで着る、身の丈と同じ長さの服。
  4. ^ a b c 同『江戸武家辞典』 p.79.
  5. ^ 「三百諸侯」という言い慣わしから別式女を有した藩は少数となる。

参考文献

  • 稲垣史生 『三田村鳶魚 江戸武家辞典』 青蛙房 2007年 p.79.

関連項目

  • 佐々木累 - 男装をして、大小を差し、武芸を指南した
  • 婦女隊 - 幕末の会津藩において自主的に武装した防衛隊
  • 髭櫓 - 狂言の演目で、武装した女性が登場する
  • 原采蘋 - 漢詩人すなわち文人であるが、旅の護身上、男装・帯刀した

「別式」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「別式」の関連用語

別式のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



別式のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの別式 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS