初稿の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 14:18 UTC 版)
「交響曲第4番 (シューマン)」の記事における「初稿の特徴」の解説
初稿では、各楽章の速度指定にイタリア語を用いていた。 Andante con moto - Allegro di molto Romanza: Andante Scherzo: Presto Largo - Finale: Allegro vivace 第1楽章の序奏は、改訂版と異なり主調の属和音(イ長調)・強拍から始まる(改訂版では主調・弱拍(3拍目))。さらに序奏後半には、サラバンド風のエピソードが登場する。なお、主部の展開部ではトロンボーンによる動機がソロで奏でられ(改訂版は2本のソリ)、弦楽器は休止するため、この動機が詠唱のように響く(同様の例はマーラーの交響曲第3番で見られる)。 第2楽章には、当初ギターを用いようとして撤回した形跡が残っている。また、チェロは始めソロだったが半プルトのソリに修正している。 第3楽章では、当初8小節にわたるファンファーレの後にスケルツォに入るようになっていた。このファンファーレはチャイコフスキーの交響曲第4番第1楽章の序奏に似ている。この序奏は結局削除され、自筆譜の一番下にはトランペットによるもう一つのファンファーレが書かれている。しかし、この部分は最初のものを含めて出版譜には採用されておらず、録音でも取り上げられていない(例外として、ゲオルク・シュメーエとベルリン放送交響楽団とのCDは上記の第2のファンファーレをホルンと組み合わせて採用している)。 第4楽章は主題の後半4小節が違っている。提示部の繰り返しもないため、全体の演奏時間も少し短い。第1楽章も同様である。全体は約24分かかる。
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