出版業界の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 07:17 UTC 版)
日本の出版業界における「活字離れへの対応」は、書籍の軽薄短小化という数十年来の流れの中に位置づけられる。気軽に手に取ってもらえるよう、新書など薄く小さく安いパッケージの比率を高め、文庫も増やしてきた。版面の改善も進められ、高齢者や若い読者にアピールする読みやすく大きな文字の使用、1ページあたり行数・文字数の抑制、といった工夫は常識となりつつある。ロングセラーの書籍を改版して文字を大きくする、海外作品の古典の翻訳をわかりやすい訳文に改める、などの作業も続けられている。 また書籍への関心の経路を増やすため、コミカライズによって漫画読者層にアピールしたり、書籍の映像化や映像作品の小説化など、様々なメディアミックス展開が行われている。こうした大きな需要を掘り起こす試みに加え、小さな需要に応えていく試みとしてオンデマンド出版や電子書籍などITを活用したインターネット経由の通信販売が普及しつつある。現在、電子書籍の大半は漫画作品だが、活字の書籍も着実に増えている。 その他、読書を支援する環境が充実しつつある例として、絶版問題に対応して、世界最大の古書店街としても知られる神田神保町が共同で運営する古書専門販売サイト、復刊を推進するサイトの登場などが挙げられる。
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