写真発明以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 19:34 UTC 版)
写真が発明される19世紀以前にも、光を平面に投影する試みは行われていた。写真の起源は、紀元前、古代中国春秋時代の墨子や、アリストテレスの頃から知られていた、ピンホール現象にまでさかのぼる。この現象を利用したカメラ・オブスクラの開発と、像を固定させる化学的処理のプロセスの発見が組み合わされ、写真術が誕生することになる。 画家達は、16世紀頃には立体の風景を平面に投影するために、デッサンの補助具としてカメラ・オブスクラを活用した。これらの初期の「カメラ」は像を定着(写真用語の「定着」ではない)することはできず、単に壁に開いた開口部を通して暗くした部屋の壁に像を投影するだけのもの、つまり部屋を「大きなピンホールカメラにしたもの」だった。18世紀には、銀とチョークの混合物に光を当てると黒くなるというヨハン・ハインリヒ・シュルツェによる1724年の発見をはじめとして塩化銀やハロゲン化銀など銀化合物の一部は感光すると色が変わることが知られており遊戯などに用いられていたものの、これとカメラ・オブスクラなどを組み合わせる発想はなかった。
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