冗長な記数法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 05:10 UTC 版)
ここでは、小数点から上に数えて n番目の位を n-1番位と呼ぶことにする。例えば二進法では、n番位の重みは 2n である。 次に例を挙げる。 冗長二進法 (redundant binary representation, RB) とは、符号付二進法 (signed-digit, SD) の一種で、 -1, 0, 1 を仮数に持ち、底を 2 とした記数法である。任意の実数はこの表現を無限に持つ。 非隣接形式 (non-adjacent form, NAF) [F] とは、冗長二進法において隣接する二つの位の少なくとも一方の仮数を 0 としたものであり、符号付二進法の一種である。この記法による表現は任意の整数に対して一つだけ存在する。この表記方法は通常の二進法と比較して、仮数が 0 の位が多く乗法や指数演算の処理速度が速い。応用例としては、楕円曲線上のスカラー倍算を効率的に計算する方法が知られている。 相互交代形式 (mutual opposite form, MOF) [G] とは、冗長二進法において、0 を除くと 1 と -1 が交互に並び最上位が 1 で最下位が -1 としたものであり、符号付二進法の一種である。この記法による表現は任意の自然数に対して一つだけ存在する。 2004 年 8 月 23 日に、日立製作所により発表された。 0, 1 を仮数に持ち、底を黄金比 φ とし、隣り合う二つの位の少なくとも一方の仮数を 0 とした記数法 (golden ratio base, 黄金進法) [K] がある。この記法では各位で、11 = 100 および 1 + 1 = 10.01 が成り立つ。また十進法で表記された数 5 {\displaystyle {\sqrt {5}}} は、この記法では 10.1 と表記できることにも注意したい。
※この「冗長な記数法」の解説は、「広義の記数法」の解説の一部です。
「冗長な記数法」を含む「広義の記数法」の記事については、「広義の記数法」の概要を参照ください。
- 冗長な記数法のページへのリンク