冗談関係における卑罵表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:30 UTC 版)
世界各地でみられる冗談をいいあう冗談関係においては、卑罵表現が使われ、どのような悪態でからかわれても、それに腹をたてないものとされる。 北部カメルーンのフルベ族とカヌリ族は冗談関係にあるが、通常の冗談だけでなく、悪態、罵倒などもふくみ、「こいつはわたしの奴隷」「無用者」「犬の子」「ハイエナの化け物」「偽善者」「目も見えないくせに」といった言葉も使われ、さらには殴ったり、たたいたり、盗み、服を破ることなどの儀礼的な暴力もおこなわれる。 また、ポライトネス理論によれば、同じ言語行動でも、相手との関係によって言語行動の心地よさは変化していくので、攻撃的な冗談であっても許容される。普通の友人であれば侮辱と取られる行動も、親友であれば互いに楽しみうる冗談とみなされる。 葉山大地、櫻井茂男によれば、「冗談関係の認知」という関係スキーマ(相互の関係についての知識の枠組み)によって、こうした冗談関係は変化していく。
※この「冗談関係における卑罵表現」の解説は、「侮蔑」の解説の一部です。
「冗談関係における卑罵表現」を含む「侮蔑」の記事については、「侮蔑」の概要を参照ください。
- 冗談関係における卑罵表現のページへのリンク